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<ふるさと納税の見直し>
ふるさと納税の受入額は2017年度で3653億円。2014年度は388億円でしたから、この3年で10倍近くに膨れました(総務省-自治税務局市町村税課による報告)。
2019年3月26日に還元率3割超または、地場産品でないものを返礼品としていると6月以降の寄付控除の対象から外れるという「改正地方税法」が成立し、ふるさと納税において寄附を得るための自治体間のいきすぎた「返礼品競争」が規制されました。
今年6月以後の寄附から、総務大臣が指定した自治体への寄附のみがふるさと納税の対象となります。
もともと、ふるさと納税の発想の根源は、東京に一極集中している税収の地方分散であり、低迷している地方消費を下支えする効果があります。その自治体に住んでいない人が返礼品目的に寄付をすることで、その地域内で返礼品が買い上げられ、地域の「消費」が上向くわけです。
今回の改正はふるさと納税によるその経済効果はもう充分とみたのでしょうか。
各自治体で競争原理が働き、せっかく成功している地方活性化対策に規制をかければ、ここ数年で膨らんだ地方財政は減少します。景気は減退するでしょう。
景況感が芳しくない中、10月には消費税率引き上げが予定されています。
大丈夫でしょうか。
<休眠預金>
休眠預金とは、引出しも預入れもされないまま、放置された預金の事です。
普通預金では最後にお金の出入れをした日、定期預金では最後の満期日から数えて銀行で10年、
ゆうちょ銀行では5年以上、預金者本人と連絡がつかないものを「休眠預金」としています。
この休眠預金は、日本全体で毎年800億円を超えるとも言われています。
2018年1月の休眠預金等活用法施行により、
休眠預金となると所定の機関に移管され民間公益活動に活用されます。
もちろん、これに気付けば、まだ間に合います。
通帳や証書、銀行印が見つからない場合でも、本人の預金であることが確認できれば良く、
印鑑、免許証など本人確認が出来るものと、支店名や口座番号がわかる書類があれば、
金融機関は払戻し手続に応じてくれます。
ただし...
①旧姓や子供名義の休眠預金
口座名義が旧姓であると、現在持っている身分証明書ではすぐに確認ができず、手間がかかります。
また、子供名義である場合は、払戻しに応じてもらうにも苦労しますが、
その口座が贈与になりうる可能性もあり、注意が必要です。
②故人の休眠預金
すでに口座名義人が死亡している場合は、相続人が払戻し請求を行います。
預金に残った残高は相続の対象ですから、「相続人全員」での払戻し請求が必要です。
遺産分割協議がとっくに終わった後に休眠預金が見つかると、すでに相続人が高齢であったり、
もう亡くなっていたりで、請求手続は煩雑を極めます。
③親族名義の休眠預金
平成2年の商法改正前は、株式会社の募集設立を行うには最低7人の発起人が必要でした。
しかも発起人は、最低1株を引き受けなければなりませんでした。
そのため、創業者が出資金をすべて出したにも関わらず、知人や親戚に発起人としての名義だけ借りる
といった事態が生じ、実質的に出資をしていない人が株主となっているケースがあります。(名義株)
会社が収益をあげれば、それらの株主にも配当がなされるため、親族名義の預金口座が存在したのです。
名義人がすでに死亡している場合はさらに厄介で、実際に出資をした人の相続人の相続財産になる
にもかかわらず、その休眠預金は相続人に対し容易に払戻しされる事はないでしょう。
休眠口座を作らないよう、きちんと口座を管理する事が大切です。
<医療費控除を受ける時の提出書類>
平成29年度の税制改正において、医療費控除の提出書類の簡略化が図られました。
平成29年分以降の所得税の確定申告で医療費控除の適用を受けるためには、原則として医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出し、医療費の領収書は確定申告期限等から5年間自宅等で保存する必要があります。
しかし、平成29年分から平成31年分までの各年分については、経過措置が設けられており、従来どおりの医療費の領収書を確定申告書に添付する方法によることもできます。
なお、上記原則的取扱いと経過措置に基づく取扱いは、医療費控除の適用を受ける医療費全てについていずれかを選択することになります。
簡素化って聞こえはいいけど、納税者側が5年間もの間、医療費の領収書保存が義務付けられるわけで...。これって大変なことです。国税当局の効率性を優先して医療費のかさむ高齢者に義務を押し付けてる。
5年分の領収書って段ボールひと箱くらいになりませんか。
<山の日>
平成28年から8月11日が、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として国民の祝日「山の日」になり、これにより、祝日の年間日数は16日となりました。
山の日の祝日化への動きは国際山岳年である平成14年頃から始まり、平成26年5月に議員立法により山の日を祝日とする法案が成立しました。
個人的には山よりも海が好きなので、あまりピンときません。
でも、海の日に必ずしも海に行くわけじゃなし...。
8月に祝日が増えた事で、盆休の採り方が事業者によってまちまちになりそうですね。